最近のGUCCI(グッチ)は「ダサい」言われると理由に迫る

GUCCI(グッチ)のダサさに迫る

GUCCIとは

GUCCI(グッチ)とは、言わずと知れたイタリアのファッションブランドです。

1921年に創業され、アパレル・バッグ・シューズ・革製品など様々なアイテムを展開しています。他の老舗ブランドと比べると実は歴史が浅いようですが、それでも老舗ラグジュアリーブランドとして地位を築いていましたが、近年、若者にも人気のあるブランドに変容しています。

その変容に貢献したのは、現在のグッチのデザイナー、Alessandro Michele(アレッサンドロ・ミケーレ)です。GUCCIのデザインがダサいという声が見られるようになったのもミケーレがデザイナーになってから増えました。

今回は、「なぜダサいと言われるのか」「そもそも本当にダサいのか」などを考えていきたいと思います。

デザイナー ミケーレについて

GUCCI(グッチ)のデザイナーを務めるのは、Alessandro Michele(アレッサンドロ・ミケーレ)。印象的な長髪とヒゲが特徴的です。

出身はローマ。1972年生まれ。芸術を愛する両親と、それを享受できる環境に恵まれていました。ローマのファッションアカデミーACCADEMIA DI COSTUME E DI MODA出身。ファッション関連の名門の1つです。

当初は、卒業後コスチュームデザインの道を進もうと考えていたそうですが、イタリアのニットブランド「Les Copains」でニットウェア、「Fendi(フェンディ)」でレザーグッズデザイン、「GUCCI」のバッグデザインを担当しました。

2002年にグッチに入社以来、Tom Ford(トム・フォード)やフリーダ・ジャンニーニのもとで裏方としてグッチを支えてきました。長年、人気ブランドであるGUCCIを裏方で支えてきました

そして2015年に、グッチのクリエイティブディレクターとしてデビューを果たしました。

このようにミケーレは実力のある素晴らしいデザイナーです。それでも「GUCCIはダサい」という声があがるのはなぜでしょう。

ミケーレの功績

売上

GUCCIはミケーレをディレクターにおいてから売上・利益は上がったのでしょうか。2016年~2018年の3年間の売上を見てみましょう。

2016年

  • 売上:5472億5000万円
  • 営業利益:1570億円
  • 営業利益率:28.6%

2017年

  • 売上:7763億7500万円
  • 営業利益:2655億円
  • 営業利益率:34.1%

2018年

  • 売上:1兆356億2500万円
  • 営業利益:4093億7500万円
  • 営業利益率:39.5%

※1ユーロ:125円計算(引用元:https://style-picks.com/archives/2125)

この売上・利益は非常に高水準で、他のブランドと比べても圧倒的です。利益だけを考えるとミケーレによってGUCCIを大きくしています。

ミケーレは何をしたのか

デザインの一新

こちらはミケーレ以前のGUCCIのデザインです。その中でも派手な方のルックを選びました。

こちらはミケーレGUCCIのものです。わかりやすいように派手なルックを選びましたが、割とこれで平常運転です。

これまでの趣味がよくエレガントでセクシーなブランドイメージを一新し、ヴィンテージテイストなのに現代的なルール無用のスタイル、強固な姿勢、広大なファンベースを築き上げました。

派手でマキシマムなデザインながら、広く受け入れられているのは、トム・フォードやフリーダ・ジャンニーニとともにグッチを支え続けてきたからだと思います。

プロモーションの一新

ショーモデルや広告キャンペーンのモデル起用も注目されていて、今までにハリー・スタイルズなどが担当しています。

ソーシャルメディアなどのデジタル戦略は、現在のグッチの強みになっています。また、ミケーレ自身のインスタグラムにも40万人以上のフォロワーがいて、刺繍で作られたモチーフやポップカルチャーのイメージ索子などを投稿しています。

ショーの一新

メンズとウィメンズのファッションショーを統合しました。

また、グッチのショーのスタイリングも自らが手掛けていて、これが最近では非常に見られないようです。

柔軟性をもたせた

元プロスノーボーダーのトレバー・アンドリュー(別名グッチゴースト)は、2013年から2014年にかけて、「GG」のロゴを使ったグラフィティーをブルックリンやマンハッタンのあちこちに描いていたアーティスト。無許可でブランドのロゴを使用していましたが、ミケーレは著作権の侵害起訴などをするのではなく、正式なコラボレーションの相手として招き、2016年秋冬をともに手掛けました。

デザインの特徴

中性的

ランウェイショーでもメンズ・ウィメンズを合同で行っているように、中性的・ジェンダーレスということをキーワードの1つとしています。

「男性だからこうあるべき」「女性だからこうしなければ」という固定観念にとらわれることなく、いいと思うものはどちらのデザインにも取り入れる自由で分け隔てない、本当の意味でのジェンダーレスを目指しています。

ヴィンテージテイスト

ヴィンテージテイスト・ヘリテージテイストが目立ちます。

ミケーレのデザインの中には、様々な時代の遺物を感じることができます。エリザベス様式、ヴィクトリア様式など様々なヘリテージを現代風に洋服に落とし込んでいます。

ミケーレ自身がデザインソースのストックがおそらく非常にあるので、毎シーズン面白いところからデザインを生み出しています。

ダサいと言われる理由

「ダサい」という一言でも理由は様々あると思います。

若者向けだから

奇抜なミケーレのデザインは若者には人気があっても、落ち着いた洋服・バッグなどを求めている層、特に30代以上の人からすると「ダサい」と感じてしまうかもしれません。

ミケーレのGUCCIでも落ち着いたフォーマルな洋服はあるにはあるのですが、やはり店頭やネット評判などで目がいくのは派手なものなので仕方ないかもしれません。これは単にターゲットとされていない層の声ということですね。

そんなに知らないから

日本でGUCCIのアイテムといえば、バッグや財布、最近ではキャップなどが知られています。それらを愛用している人達はオシャレ目的ではなく、ステータスとして身に着けています。

そういったステータス目的の方の選ぶGUCCIのアイテムはGUCCIだと分かりやすいアイテムであって、ファッショナブルではない場合がほとんどです。

ミケーレが一番力を入れているポイント、つまり毎シーズンのコレクションを見てみれば「ダサい」という印象は変わるかもしれません。「カッコイイ」という意見になるかもしれませんし、洋服にそこまで興味のない方からすれば「ダサい」→「よくわからない」に変わるかもしれません。

ちゃんとカッコイイGUCCI

GUCCIのアイテムは、選ぶもの・スタイリングなどをしっかりすればキチンとカッコよくなります。この理論を正当化するために菅田将暉さんの画像を貼りました。ずるいかもしれませんが、本当にきちんとすれば良いブランドです。

コレクションごとにチェック

ミケーレによるGUCCIのコレクションでは、様々なサンプリングが見られます。僕が見つけられたものは以下に載せておきました。

・2018年秋冬

「サイボーグ宣言」という論文からインスピレーションを得たそうです。

「サイボーグ宣言」とは

ダナ・ハラウェイが1985年に雑誌「社会主義論」に発表した論文。後に単行本「猿と女とサイボーグ」に収録される。この論文は、「すでに現代人はキメラ(サイボーグ)になってしまった」といった大胆かつ刺激的な命題によって、その後の「サイボーグ・フェミニズム」と呼ばれ鵜r同行に決定的な指針を与えた。ハラウェイの「サイボーグ宣言」がフェミニズムと接続しえた第一の理由は、「機械と生物の混合物(サイボーグ)としての人間」という非自然主義的な人間観が、男女の性差を前提とした生殖=再生産のモデルに対する批判として機能するからである。

引用元:https://artscape.jp/artword/

-luchador masks

GUCCI(グッチ)

-Faster, Pussycat, Kill! Kill!

GUCCI(グッチ)GUCCI(グッチ)

・2019年春夏

フランス文化のオマージュが目立ちました。

-時計じかけのオレンジ

GUCCI(グッチ)GUCCI(グッチ)

・2019年秋冬

キーワードに「マスク」を選んだコレクションを発表しました。

-13日の金曜日

GUCCI(グッチ)GUCCI(グッチ)

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