映画『TENET(テネット)』ネタバレなし感想・レビュー・見どころ

映画『TENET(テネット)』について

伝統的なスパイ映画という既存のジャンルに、時間というSF的なコンセプトを練り込んでひねりを加えた映画です。1回で全部理解しなくても大丈夫です。軽い気持ちで楽しんでください。

Dolby Cinema(ドルビーシネマ)での視聴

『ダークナイト』シリーズや『インターステラ』、『インセプション』など名作品を世に出し続けている映画監督クリストファー・ノーランの最新作『TENET テネット』。

僕は、MOVIXのDolby Cinemaで視聴しました。通常より500円高かったのですが、ノーランの作品を観るのに500円なんてケチってられません。できるだけ良い環境で楽しもうと思い、初ドルビーシネマを選びました。IMAXと悩んだのですが、どんなものか体験してみたかったのでドルビーシネマにしました。

映画が始まる前にドルビーシネマについての説明動画が流れました。その説明動画だけでも2000円のもとは取れたと思うくらい既に迫力満点でした。主に音が360度から聞こえてくる事・細かい色の違いを表現できる事を説明してくれます。

クリアな映像も魅力的でしたが、それよりも音響設備がめちゃくちゃすごかったです。シチュエーションによって音が聞こえてくる方向が変わるので臨場感が通常設備とは比べ物にならないくらいワクワクしました。

レビューやSNSを見る限り、TENETを観るならドルビーシネマ・IMAXどちらかでの視聴がオススメみたいですね。

あらすじ

ウクライナ・キエフのオペラハウスにおいてテロ事件が発生。特殊部隊に交じって活動していた工作員の名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は任務中、敵対組織に捕らえられてしまう。

彼は拷問の隙に自決用の毒薬を飲むが、それは実は睡眠薬であり、目を覚ますとフェイ(マーティン・ドノヴァン)という男からテロ事件は自分たちの組織に加えるためのテストだったことを明かされる。

呼び出された場所で、未来からもたらされたという『逆行する弾丸』の存在、それらを利用して世界を破滅させようとする武器商人アンドレイ・セイター(ケネス・ブラナー)の存在を知る。

協力者であるニール(ロバート・パティンソン)と共にセイターの妻であるキャット(エリザベス・デビッキ)と接触を図るなどし、セイターの陰謀の打破を目論む。

ネタバレなし感想レビュー・見どころ

ネタバレありの感想・レビューも書こうと思っていますが、2回目観終わってから書こうかと思っています。

難しいっちゃ難しいけれど

この映画のアイディアは20年間温め、脚本の練り直しに6,7年掛けたそうです。確かにストーリー構成に無駄が一切なかったというくらい洗練されたストーリー構成でした。なんだったらニッチな支持層に向けた作品でもないので、もっと誰にでも分かりやすいようにもう少し丁寧な説明があっても良かったのではと思いました。セリフによる説明は最低限で、ほとんどの状況把握は自分で映像を見ながら行うしかありませんでした。

しかし、全く理解できないというわけでもないと感じました。まあ難しいのは難しいとは思いますが。。

僕も1回の視聴で100%理解したわけではありません。ですが、必要最低限の把握はできたつもりです。大枠さえ掴むことができれば、必要最低限の把握ができたと言えるのではないでしょうか。細かいところを全て理解しようとするとむしろ脳内がグチャグチャになって思考を放棄しそうになってしまうと思います。

理解のコツは、とにかく前半に集中すること・全てを理解しようとしすぎないことだと思います。細かい理解なんて2回目以降の鑑賞やネットの考察などを見てすればいいと思います。

脳死でも映像や音響が素晴らしいので、十分楽しめると思います。

集中力や観察力がある方でも前半1時間~1時間半くらいは意味不明に感じてしまうかもしれません。前半だけで内容を掴める人はいないと私は考えています。ですが、ストーリーが進むにつれ、前半の内容を理解できるようになってくるように展開されていくので焦らないでください。作中の人物たち(特に主人公の名もなき男)でさえも状況を理解するのに時間がかかっています。主人公なんてほとんど流れに身を任せて行動してるくらいです。主人公も徐々に状況を理解していくので、それに合わせて私たちも理解していけばいいかとおもいます。

主人公結構無機質だなと思ったけど、視聴者それぞれが自分を投影させやすいようにしているのかな。

映画館を想定した映画作り

『TENET テネット』含め、最近の映画は映画館で観られることを想定した映画作りが行われています。当たり前だろって感じかもしれませんが、映画業界は明確にこの部分にこだわっていると思います。

大画面だからこそ楽しめる映像・良い音響設備で味わうべき音楽は今後の映画作りで必要となります。NetflixやAmazon Prime Videoなどの配信サービスとの明確な差をつけなければ映画産業は縮小していくと思います。

『1919』なんかもそうでしたよね。映画館で観ないと本当の面白さを味わえない。日本の映画監督のインタビュー記事なんかを見てても皆さんが映画館で観るべきである作品作りにこだわっていると発言されています。

TENETも家のテレビで観れば、おそらく感動は半減してしまうかもしれません。

時間を物理的に解釈する面白さ

今作では、「時間」がテーマとなっています。

普段、時間はただ過ぎ去っていくもので、それに対して抗うことができない。それは私たちの周知の事実であり、また普段気にもしていないことです。

しかし、「TENET」においてはその概念ごとぶち壊しています。しかし、非常に現実的に。もちろんSFであり、フィクションではあるのですが、理論的にはあり得そうな設定なんですよ。時間というものを物理的に解釈することで時間を逆行するという非現実的な出来事をリアルに描写しています。

そこがクリストファー・ノーラン作品の素晴らしいところだと私は考えています。例えば、『インセプション』では神経科学を用い、ありえない世界観をリアルに描いています。『ダークナイト』シリーズでは、主人公の力は特殊能力ではなく、過酷なトレーニングやお金をかけた武器によるものです。もちろんバットマンはありえない強さを持っていますが、その超パワーもリアルに感じます。

事前に知っておいてもいいと思う用語

TENETという言葉の意味

直訳:(個人または集団が信奉する)主義、教義

この単語は上から読んでも下から読んでも同じであることから、わざわざTENETという単語が使われています。

引用:https://www.wikiwand.com/ja/

「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」から引用しているみたいですね。これはラテン語による回文です。三行目(三列目)に TENET が表れています。ケネス・ブラナー演じるアンドレイ・セイターの姓が SATOR。キエフ・オペラの OPERA。ゴヤの贋作者の名前が AREPO。オスロ空港の警備会社が ROTAS。こういう小ネタは面白いですね。

そして、「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」から引用したというだけには留まらないんですよ。観終わった後にもう一度「TENET」という単語を見直してみてください。「あ~、なるほどね」と言ってしまうでしょう。

エントロピー増大の法則

この法則が『TENET』における時間の逆行に関係してくるので覚えておいて損はないです。面倒な話を入れるとごちゃっとするかもしれないという方は飛ばしてください。

エントロピーとは

エントロピーは、熱力学および統計力学において定義される示量性の状態量。 熱力学において断熱条件下での不可逆性を表す指標として導入され、統計力学において系の微視的な「乱雑さ」を表す物理量という意味付けがなされた。

そのまま引用しただけだと少し難しいですね。えっと、履修していない講義に潜った時の知識で頑張って説明します。

エントロピーとは、「無秩序な状態の度合い」を表したもので、無秩序であればあるほどエントロピーは高く、秩序が保たれている状態であればあるほどエントロピーは低いということになります。へー、そうなんだくらいの理解で大丈夫だと思います。ここはあくまで定義の説明なので。

次に、エントロピー増大の法則についてです。この世の全ての事・物は、それを自然のままにほっておくと、そのエントロピーは常に増大し続け、外から故意に仕事を加えてやらない限り、そのエントロピーを減らことはできない。その増大は、変化がそれ以上進まない安定な状態になるまで続く。これがエントロピー増大の法則だったと思います。

とりあえずこれだけ覚えていけば、後は作中で説明してくれるので理解できると思います。

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