近年のYohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)について/ブランドの解説

近年のYohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

・客層の多用化

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

昔のヨウジヤマモト愛好家といえば決して多数派ではなく、どちらかといえば少数のコアなファンがいるブランドという立ち位置だったようです。

年齢層も若者よりかは、少し歳をとっている方がメインターゲットでした。

しかし、近年では、年齢層も客層もとても多様化しています。ラインを多くしたり、積極的にコラボレーションを行なったりなど要因は様々です。

・わかりやすいデザイン

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

メンズのメインラインである「Yohji Yamamoto Pour Homme」のコレクション・アイテムでもターゲットとなる客層を拡大しようという試みがみられます。

シルエットやカッティング、それらを最大限に生かす素材選びなど、服作りの基本的なところで様々なデザインのバリエーションを見せるというのがヨウジヤマモトの本来の在り方だったと思います。

しかし近年のコレクションでは派手なグラフィックやメッセージが目立つようになりました。

それが顕著に表れていたのが、2018年春夏コレクションだと思います。「着る服ないの」というメッセージのインパクトが強く、ヨウジヤマモトに今まで興味のなかった人すら魅了されるものでした。

ヨウジヤマモト自体、もともとメッセージ性の強い洋服を作っていたのですが、そのメッセージを誰でも受け取りやすい形でデザインに落とし込み始めたのは近年の傾向です。

服の力にフォーカスした2019年秋冬

2019年秋冬コレクションでは、それまでのコレクションと比較すると抽象的でプリントや言葉に頼らない洋服を提案していました。

「言葉の力は、服の力に比べれば弱いはずなんです」、「今までは乱暴な言葉をプリントしてきましたけど、世界中で流行っちゃって同じようなものが増えすぎた」とも、山本耀司は口にしたそうです。

繊細な刺繍、エレガンスにYohji Yamamotoらしいスタイルに昇華したミリタリーテイストのウェアなどが目立ちました。

一方で、「黒」の付く言葉を辞書のように羅列したプリントのアイテムやブランドの頭文字であるY-Yの刺繍なども分かりやすいデザインとして消費者には受け取られていたようです。

・積極的なコラボレーション

-NEW ERA(ニューエラ)

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

ヨウジヤマモトのブランドロゴをあしらったTシャツやパーカー、キャップなどを展開しています。

シンプルなデザインなので、普段ヨウジヤマモトを着ないという方にも人気のコラボレーションとなっています。

乃木坂46さんのモデル起用や私服としての着用から乃木坂ファンで着ている人も多いみたいです。

-Dr.Martens(ドクターマーチン)

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

2003年秋冬から不定期に行っているコラボレーションです。

ドクターマーチンとヨウジヤマモトでは、ブランドコンセプトが近しいことからデザインに互いの長所がうまく融合したアイテムを発表しています。

・アーティストとのコラボ

-朝倉優佳

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

2016年春夏で登場したコラボレーション。キャンバスに描かれた色彩がプリントされたスーツなど、平面作品を洋服に写したようなデザインが目立ちました。

-内田すずめ

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

2018年春夏からコラボレーションをしました。

内田すずめは、画家で、筑波大学芸術専門学群卒業。

自身の内面と向き合って生み出された作品には光と闇が共存しており、理想的な美しき世界とエゴに揺れる生々しい女の世界を見せようとしています。

2020年春夏コレクションに3度目のコラボレーション。

ヨウジヤマモトと画家・内田すずめの3度目のコラボレーションでは、デザイナー山本耀司が「ばけものを描いて欲しい」とリクエスト。男を呑み込む女や骸骨男と蛇女など、独特な“おどろおどろしい”世界観が反映された新作7作品が、内田すずめによって描かれた。

主な派生ブランド・ライン

・Y-3

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

2002年に「adidas(アディダス)」が山本耀司をクリエイティブディレクターに迎え発表されたブランドです。

アディダスのトレードマークでもある3本線に変化を与えたもの、モードを感じるスポーツウェアなどを展開しています。

ヨウジヤマモトだけでは掌握できなかったスポーツテイストやストリートテイストを好む層を獲得することができました。

・BLACK Scandal

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

2018年にスタートした、「HOMME」の近年のコレクションから人気のプリントやデザインなどをピックアップし、新しいデザインとして昇華するラインです。

インパクトのあるメッセージ・グラフィックが多いので、人気のあるラインです。

・s’yte

2011年からスタートしたライン。ウェブ限定となっています。

メインラインのアイテムは、セレクトショップでのオンライン・通販はあるものの、公式による通販はなかったので新しい試みでした。

オンラインストア・通販を使う頻度が比較的高い若者が購入しやすいようになったので、客層拡大に影響があったと思います。

・Ground Y

-ブランドの特徴

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

「ユニセックスで服を着る」「エイジレス」というテーマで、若者をターゲットにしたラインです。

若者をターゲットにしているので比較的価格は抑えられています。学生などお金に余裕のない方はココからヨウジヤマモトの世界に入ってみると良いと思います。

コラボレーションも積極的に行っています。

「FRED PERRY(フレッド ペリー)」や「NEW ERA(ニューエラ)」などのブランドともコラボしていますが、漫画やアニメなどのコラボもしていて、その相手が面白いチョイスを毎回しています。

グラウンドワイの抑えられた価格帯・面白いコラボレーションはヨウジヤマモトの客層拡大に大きく影響していると思います。

-ワンピース

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

2019年、尾田栄一郎により1997年に連載がスタートし、2019年でTVアニメ20周年を迎えた「ONE PIECE-ワンピース-」とのコラボレーションを発表しました。

描きおろしのヴィジュアルを使用したアイテムを発表するようです。

-攻殻機動隊

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

2019年に、劇場版アニメ「ゴーストインザシェル/攻殻機動隊」の続編にあたる「イノセンス」とのコラボレーションを発表しました。

アイテムは「物体の存在の意味を追求する」という物語のコンセプトを落とし込んでいています。

-ヱヴァンゲリヲン

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

2015年と2018年の2回発表された、ヱヴァンゲリヲンとのコラボレーション。

2015年ではアニメのキャラクターデザインをそのまま洋服に落とし込み、2018年には原画を用いたアイテムを展開しました。

-仮面ライダー

Yohji Yamamoto(ヨウジ ヤマモト)

2018年秋冬に、漫画家の石ノ森章太郎の作品「仮面ライダー」とのコラボレーションを発表しました。

石ノ森章太郎の生誕80周年を記念したもので、石ノ森さんがデザインした歴代の仮面ライダーを落とし込んだアイテムを展開しました。


出典

  • FASHION PRESS
  • https://killyohji.tumblr.com/
  • Wikipedia

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