The Boys(ザ・ボーイズ)とは
・概要
原題:The Boys
企画:エリック・クリプキ、エヴァン・ゴールドバーグ、セス・ローゲン
The Boys(ザ・ボーイズ)とはAmazonによるオリジナルドラマです。R-18指定で過激な内容ですが、めちゃくちゃ構える必要はないくらいの過激さだと思います。2019年7月に配信と、まだ日は浅いですが評判も良くて、続編も配信前から決まっていたそうです。
・あらすじ
欲と名声にとりつかれたスーパーヒーローたち。非公式に「ザ・ボーイズ」と呼ばれるグループが腐敗したスーパーヒーローたちを倒そうとする。特殊能力を持たない彼らは根性と信念で悪しきヒーローに立ち向かう。
引用元:AmazonPrimeVideo
スーパーヒーローが富・名声におぼれたクソ野郎だったらという設定。見る前は過激なコメディドラマだと思いましたが、エピソードが進むにつれ結構シリアスな展開が続きます。
ヒーロービジネスを行っている企業ヴォ―トに雇われているスーパーヒーロー7人で構成されるチーム「セブン」の1人に事故という形で恋人を殺された主人公のヒューイ。そんな彼が元FBIのビリーらとともに「ザ・ボーイズ」を結成し、ヒーローたちの悪事を暴いていく物語です。
・シーズン1・エピソードタイトル
- The Name of the Game(発端)
- Cherry(始動)
- Get Some(収穫)
- The Female of the Species(彼女)
- Good for the Soul(信念)
- The Innocents(無垢)
- The Self-Preservation Society(防衛)
- You Found Me(発覚)
・キャラクター(一部)
-ザ・ボーイズ
- ヒューイ・キャンベル(ジャック・クエイド)
- ビリー・ブッチャー(カール・アーバン)
- フレンチー(トマ-・カポン)
- マザーズミルク(ラズ・アロンソ)
- キミコ(福原かれん)
-セブン
- ホームランダー(アントニー・スター)
- ディープ(チェイス・クロフォード)
- Aトレイン(ジェシー・T・アッシャー)
- トランスルーセント(アレックス・ハッセル)
- ブラック・ノワール(ネイサン・ミッチェル)
- クリーン・メイヴ(ドミニク・マケリゴット)
- スターライト(エリン・モリアーティ)
The Boys(ザ・ボーイズ)の魅力・評判
・過激である
ファンタジーホラー「プリ―チャー」の原作者であるガ―ス・エニスによるコミックスをドラマ化したもので、かなり原作に忠実で、バイオレンス・セックスシーンはできる限り再現されています。忠実に再現しすぎたせいか、配信前にカットせざるをえない部分もあったそうです。
・悪役がヒーロー
ヒーローを主人公・善人として正統に描くのではなく、クソ野郎として描いています。この手法をここ数年のトレンドでもあります。有名なものでいえば「デッドプール」。デッドプールの主人公は結果ヒーローとしての行いをしているだけで、過程などをみれば自分の欲のために行動するクソ野郎。最近でいえば「ヴェノム」とかもヒーロー=クソ野郎として描かれています。今視聴者が求めるものが、自分勝手なヒーローみたいなリアリティーのあるヒーロー像をもっているのかもしれません。
しかし、ザ・ボーイズの場合は今までのヒーロー映画などとは少し異なり、完全にクソ野郎であるとともに、悪役。主人公ではないところが少し新しいところだと思います。視聴者は悪役として認識できますが、映画の世界では完全にヒーローと認識されている。視聴者と映画の世界との間にギャップがあり、視聴者が共感できるのはザ・ボーイズのメンバーのみである。このあたりが面白いです。
・心情描写
ザ・ボーイズがメインなのでこちらへの共感は容易です。特にヒューイやビリーは分かりやすく可哀そうな立場なので。しかしヒーローたちへの共感も少しできるように作られていると思います。悪者と一言で片づけてしまうこともできますが、彼らの行動にも「しょうがないな」「他に手段がなかった」という感情も湧いてきます。結局彼らもヴォ―トの商品であるというところがあるから強くは責めにくいです。
また、ザ・ボーイズの行動も100%正義かと言われたら疑問ですね。人殺しを初めとした犯罪を積み重ねています。全員に良いところ・悪いところを感じるのでとてもリアリティーがあります。
・風刺や皮肉
MeToo運動や過剰なコマーシャリズム、宗教などアメリカ社会に対する風刺が至るところに見られます。受け取り方は人それぞれだと思いますが、問題提起としてはわかりやすいと思います。考えるきっかけにもなるので大学のレポートの参考資料としても良いドラマかと思います。
・評判・評価
- アマゾンレビュー:4.3/5.0
- IMDb:9/10